このページでは、災害ボランティアに参加したスカウトらによる声を紹介します。様々な形態での災害派遣についての声を紹介しますので、災害ボランティアに参加する際にはご確認ください。

目次

令和6年能登半島地震

概要

  • 奉仕先
    • 石川県珠洲市
  • 方法
    • 自家用車

コメント

自分が今回現地に行きたいと思った理由は複数あります。まず、スカウト年代として最年長となった今、何かしたい・何かすべきという想いに対して何が出来るかと考えた結果であり、原隊で隊長をしているため今回起きた天災をどれだけスカウトたちに身近に感じてもらえるかを熟慮した結果だと思っています。

また、誰かは誰かに支えられる事によって今日の生活を送れるものだと思います。そう考えた時に自分が見たことも会ったこともない人のために何かしたいと思うのにはそれほど時間は要しませんでした。

今回は自家用車に乗り合わせで現地入りしましたが、能登半島に入っていくほど災害の痕が色濃く且つ全体的に残っていました。逆に帰る時は能登半島から遠ざかるほど、道は綺麗になり、区画整備された場所を通ることが出来、当たり前のことなのかもしれませんがとても不思議な感覚でした。

いざ、現地に入って様々な現場に行きましたが、主に災害ゴミや瓦礫の撤去・搬出・運搬をしました。その中で特に軽トラックを運転しているときに特に思ったのは、平時であればちょっと注意すれば何ともない細い道路も災害時は通れるかどうかが分からないということです。集落に入る路地など、入れそうに見えて実はアスファルトが割れていたり、瓦礫が散乱している場所が多く危険な状態でした。ボランティアに来ている自分たちが事故を起こしてしまっては元も子もないので地図やナビゲーションに頼る際に最短ルートということにこだわるのではなく、遠回りでも大きく且つ確実に通れる道を探すことが重要だと感じました。

また、現地にいたことで一番印象的だったことは被災された方にも日常生活があるということです。朝~夜までやることがあるというのは至極当然のことなのかもしれませんが、朝起きて仕事に行って夕方に帰ってくるという日常のループが送れるということがどれだけの奇跡の上に成り立っているかというのをヒシヒシと感じました。

被災された方の本来あるべき日常生活が少しでも早く取り戻せるよう自分に出来る精一杯のことをやっていきたいと改めて決意することが出来た経験でした。

2019年 台風19号被害

概要

  • 奉仕先
    • 長野県
  • 人数
    • TRK(富山ローバースカウトの会):6名
    • 県連事務局長

コメント

 台風19号は令和元年10月12日から13日にかけて、関東甲信越地方で猛烈な大雨が降り、千曲川などの河川が氾濫し、堤防の決壊や越水が発生しました。その結果、浸水や土砂災害などの被害が生じました。私たちは10月19日の夜に現地入りし、長野市内の団の団ハウスに宿泊させていただき、翌10月20日に災害ボランティアに奉仕しました。

 南長野ボランティアセンターからバスで担当地域のサテライトへ向かいました。サテライトから現地までは徒歩で移動をしましたが、氾濫した河川の泥水が乾燥し道路は真っ白になっており、道路の両脇や空き地には家財道具などのがれきが山積みになっていました。中でも建築中の家や新築の家の2階まで泥水の跡が残っている光景が印象的でした。

 ボランティアさせていただく家へ到着し、土足で家の中へ入らせていただき、被災した家財道具の搬出を行いました。車庫は水をまき、水やデッキブラシなどのブラシで骨組みなど細かいところの汚れまで落としました。

 今回は河川の氾濫であったため、感染症や壊れた家財道具の釘などの踏み抜き事故の防止に一番重点を置き準備しました。当時は知らなかったのですが踏み抜き防止のインソールが販売されているのでそういったものも活用するといいと思います。他には防塵マスクや上下使い捨ての雨合羽、ヘルメットなどもあるとどういった災害であれ重宝すると思います。大きなビニール袋はどれだけあってもいいと感じました。季節問わず長袖長ズボンで作業することになるので、水分や防寒具等も備えておくとよいと思います。

 事前準備としては、ボランティア保険への加入(各地域の社会福祉協会でかけられます)や高速道路利用時のボランティア車両証明(往復分)等の準備や装備をそろえる必要があるので、余裕を持った日程で準備、参加することが大切だと感じました。日程の都合上1日のみの奉仕でしたが1度の奉仕ではまだまだ人の手は必要だなと感じました。個々の力は小さくても、その力が集まると大きな力を持つことを実感しました。

 今回の令和6年能登半島地震でも、過去の経験より奉仕を考えています。現地に入って実際に体を動かすことで得られる経験や気づきもあると思います。

2023年7月秋田豪雨災害

概要

  • 奉仕先
    • 秋田県
  • 人数
    • 5名

前提

  • 水害の支援だった。
    • 天気予報などで今後をある程度予測ができた。
    • 地震など、またいつ来るかわからない、という状態ではない。
  • 瓦礫よりも泥などの衛生面のほうが注意したほうがいい。

情報

  • 県外活動を伴い、かつ二次災害等もあることから、企画書・計画書や県外旅行申請など、各種手続きはしっかり踏んだほうがいい。
  • 自身に関すること(食事、飲料、移動手段、宿泊、排泄など)を自己完結できるほうがいい。ボランティアをしたのに、自身に関することで現地に迷惑をかけてはいけない。
  • ボランティアセンターには、お水や軽食は意外とたくさんある。一方で、特にタオルやマスク、ゴム手袋などの装備はほとんどないので自身で準備したほうがいい。
  • 衛生面での準備を徹底したほうがいい。マスク、長袖長ズボン、ゴム手袋、鉄板入り長靴、ゴーグル、手を洗えるお水など、をしっかり事前に購入して使用、できればそのまま破棄したほうがいい。
  • 夏季での活動だったため、熱中症対策は必須。温度も湿度も高い中で、かつ災害など通常ではない事態だからこそ、興奮したり冷静な判断ができないことも多い。水分摂取や休憩、食事などは徹底する。
  • ボランティアの現場でも、その場でなんとか対応することも多い。現地での指揮やリーダーシップは、まさにスカウトに求められるものであり、リーダーシップを発揮し、役割分担や全体を動かす機会は多かった。
  • 現地では、1人でも多くの「人の手」が必要だとつくづく感じた。募金を実施し、多くの人から資金援助をもらうことも大切だが、たったあ1,2名でも良いので、動ける人が現地に行くことは価値があると感じた。